01.

遂にフレイヴァーがスタートしますね

本当ならば、昨年の12月予定だったんだけどね（笑）
工場の都合上で、かなり延び延びになってしまいました。

02.

だいぶ前からTwitterなどでも話題になってましたからね。

うん、そもそも先にも言ったとおり、12月には出せると思っていたから（笑）
でも、今回はゆっくりやれて逆に自分的には良かったかも。
今回はプライベートブランドなので、会社的な都合とかあまり関係ないから。
その辺がのんびり出来る理由だったかも。

03.

では、フレイヴァーのブランドコンセプトと、ブランド名の由来を教えてください。

ブランドコンセプトは、「日本料理」。
日本料理って凄い計算されているし、そして無駄なモノが少ないですよね。
なので、「必要なモノだけを必要なだけ」。最近のセールスに結びつくような見た目ではなく、「クラシカルに」がメインテーマ。
結局、「クラシカル」なものに隠れた、最新鋭の技術が合わさったら最強なのかなと。
日本料理でいえば、隠し包丁な感じで（笑）ブランド名の由来は、「〜風味」って可愛いかなと思って（笑）
レインボーを使用しているのは、僕が好きだからと言うのもあるし、
チャリティで「SAKURA」というフレイヴァーのオプションブランドもあるので、
それを足すと合計8色のレインボーになるように考えたんだよね。

04.

"初心者向け"の様にターゲットを絞ったメーカーではなく、全てのプレイヤーさんに向けたブランドなのですか？

う〜ん、特定のターゲットに絞っているわけではないですね。
結局は、投げやすいモノには、どんなターゲットにも評価されるものだと思っているし。
そうなったら良いなということで。
School Of Dartsをやっている関係上、色々な人のフォームを観る機会が多いので、その傾向を考慮してデザインしました。

05.

なぜこの時期にプライベートブランドを立ち上げたのですか？

今回は「よし、バレルブランドを立ち上げてやろう」という意気込みではなくて、あくまでも「プライベートブランド」としての立ち上げ。
要は、「好きなことをやりたい。そして自分で何が出来るのかを試したい」というのがあるので、別に時期とかは気にしてないんだよね（笑）

06.

正直3年遅かったと感じてます。その辺はどの様にお考えですか？

もし仮に、「会社的な利益」を求めるならば、確かに3年くらい遅いかもしれないね。
でも、先ほど言ったように、値段的にも分かるよね？（笑）
利益なんてほとんどないわけで、ハナから利益重視でないから、時期は重要じゃない。逆に3年前だったら、正直作れていないデザインや工法なので「期が熟した」というタイミングが今だったと。
なので、自分的にはジャストタイミングかな。もう、本当に色々なしがらみの中で生きてきたから、そろそろ自分の好きなことが出来る場所があってもいいかなぁと思って。

07.

フレイヴァーの勝算はどこに？

そもそも勝算なんて考えてないよ（笑）
だってそもそもビジネスベースで考えてないから。
初期経費がリクープ出来れば。それが第一目標なだけで。そりゃ、昨年頃はそう考えようかとも思ったけど、今の不況では夢を見るのは無理。
でも、自分の場所は作りたい。ならば、怪我しない程度でやればいい。
それだけかなぁ。

08.

プレイヤーさん（ユーザーさん）は2012年の今、バレルメーカーに何を求めているのでしょうか？

今年は間違いなくクラシカルなモノに戻ると思う。
なぜって、確かに今風のバレルの進化は素晴らしいけど、その分狙った場所から大きく外れる傾向が増えてきた。これは、飛びは良いけど、コントロール性は・・・というバレルが増えている理由。
自分の出したい高さと方向にコントロール出来るモノ。 それを念頭にフレイヴァーは作ったつもりかな。
スピード(矢速）を競うゲームじゃないからね（笑）

09.

専属のプレイヤーさんはいないのですか？
その理由も教えてください。また 加入予定はありますか？

正直、もう疲れちゃったんだよね（笑） 選手を抱えると言うことはそれなりの責任感も必要だし、ホントに大変なんですよ。
昔ならば体力もあったけど、今はもう無理だもん。
逆に用具契約だけというのは、僕のスタイルに合わないし。
だから抱える気は今のところありません。
まぁ、分かると思うけど僕選手には厳しいから（笑）
なので、よほど「欲しい！」と思う選手がいないと・・・それよりもむしろ、一般プレイヤーと専属契約して、使用感とかのリサーチをお願いしたい。それは考えています。
トップ選手は、他のメーカーにお任せして、僕は一般プレイヤーさんと開発していきたいな。

10.

トリプレイトを離れてから、グルーヴエイトやUe、タイニーバレル、ユナイト、S4プレイなどのバレルデザインをされたと思うのですが、今回 のフレイヴァーのデザインはそれらと何が違うのでしょうか？

今までは、必ずパートナーがいるわけで、ある程度その方々の意向も考慮しないといけないんだよね。
でも、今回はそういうものがないので、全部自分の好きなように作れた。勿論、プライベートの範囲なので、大きくはするつもりもないし。
あとね、パートナーに喜んでもらえるデザインでないといけないわけで、今回はそういうものがない。なので、余計なモノはデザインしなかったと。だから、初めてノープレッシャーで作れたし、本当に好きなモノ、自分がこれ！と思うモノが作れた。

11.

フレイヴァーのパッケージを見て、なんとなくですが、ハローズっぽさを感じたのですが意識してますか？

う〜ん、意識してたつもりはないけど、ショップやバーのことを考えたら、省スペースで展示なり置いてもらえるようには考えましたね。
まぁ、あんまり大きいのは時代遅れだし（笑）

12.

しかし、コンパクトで良く出来たパッケージですね。

そう？
香港のJosephが提案してくれたものをそのまま採用しただけなんだけど（笑）
僕はパッケージ等のインダストリアルデザインは得意分野じゃないので、専門家に任せました。

13.

今回の10タイプはなぜ、この10タイプなのですか？
また、なぜ5タイプを二回にわけてリリースしなかったのでしょうか？

うん、ビジネスではないから（笑）
ビジネス的にはそうなると思う。でも、プロトデザインだけで80タイプ以上あるので、「まぁ、最初10個くらいだしておくか」と。
出し惜しみとか面倒くさくて・・・
こういうユルさがプライベートブランドの良いところだと勘違いした（笑）
ほら、そもそも「十人十色」って言うじゃん？だから最初に10タイプに。これ、友達にヒントをもらったんだよね（笑）

14.

この10タイプってどんな人に使ってほしいですか？

本当の意味で「ダーツを楽しんでいる人」に使って欲しいかなぁ。
どんな楽しみ方でも良いんだよね。
お酒でワイワイでも、ストイックに練習でも、人生の一部になっている人も。
技術の上達だけが「楽しみ」や「目標」ではないから。
そういう人たちに「バレルに対する悩み」を少しでも解消してもらいたいなと思ってデザインしたんだよね。

15.

KTM.が手がけたバレルがタングステン90％で5980円って非常にお安いと思うのですが、この価格設定にされたわけは？

本当はもっと安くしたかったけどね（笑）
みんなに気軽に使ってもらいたいとすれば、高い金額はないでしょう。
リーズナブルだからといって、手は抜かないのがデザイナーだしね。
100円の仕事だって、100万円の仕事だって同じ力でやるよ。
だって、自分の子供みたいなモノだもん。

16.

フレイヴァーの強みはどこにあると思いますか？

強くないもん（笑）
強いブランドになることが目標ではないし、強い選手を抱えることが正解でもないし。
ただ本当に「これ投げてみてよ！」というデザインを安価で出したかっただけだからね。
あ、一つあるとすれば会社組織ではないから、あまり利潤を追求しなくて良い部分かな。
じゃなければ、こんなにのんびり発売しないでしょう（笑）

17.

フレイヴァー理想の未来像を教えてください。

先ほど言ったように、一般のプレーヤーさんと話し合ったりアドバイスしてもらったりして誰もが「投げやすいよね」というモデルをリーズナブルに出していきたいかなぁ。
早速考えているのは、今回の10タイプのカスタムモデルが出来たらいいかな。あとは、焦らず仲間達と楽しみながら作っていければなと。
もう、「どういう戦略でどういうデザインを」というのは散々やってきたからね。
こんなバレルメーカーが一つくらいあってもいいでしょう（笑）

18.

では、最後の質問になります。バレルデザイナーである以前に、ひとりのクリエイターとしてKTM.を見ているのですが、どんなモノや事、人物など に影響されて、そのクリエイター魂は形成されたのでしょうか？

18歳くらいから「自分のセンスを評価して欲しい」と思ってたんだよね。
それが音楽だろうが絵だろうが、また考えだろうが何でも良かった。
そう思い続けていたら、今こうやっているわけで（笑）好きなモノには妥協しないというと、かっこよく聞こえるけど要は子供の頃から成長していないということなんだよね（笑）
僕なんかデザイナーとしては超底辺に属すると思っているので、ホント色々な人の作品に感銘を受けるし。
出来れば、こうやって「なにこれ、やばいデザインじゃん！」とかずっと言ってたい（笑）あとね、最近仲間や大切な人のために自分の出来る能力を発揮できればなと。
昔は、「自分最高」だけだったけど（笑）、う〜ん歳取ったんだろうね、そう思うようになってきた。
まぁ自分の感性には嘘付けないし、このままダラダラとやっていければ（笑）

19.

おーー。なんか良い感じの大人像ですね。 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

ありがとうございました。

例えば日本料理に「隠し包丁」という技法があるように、フレイヴァーStoreDesignのバレル全てに「3STEPデザイン」という新しい手法で、「グリッピングポイント」を設定して、今までのような、ただの直線のテーパーラインでは表現出来ないグリップ時の安心感を。

例えば日本料理の「出汁」という伝統の手法があるように、奇をてらった手法やカットではなくしっかりとした、落ち着ける操作感を。
必要なカットを必要なだけ、必要なテーパーを必要なだけ。
たったこれだけのシンプルなことを追及したバレルがここに生まれました。

例えば日本料理の「味付け」という多彩な種類の風味や匂いがあるように、各モデルに、様々な風味を併せていき、それからどなたにでも安心して頂ける様に。

デザイナーは、School Of Dartsで数々のトッププレーヤーへのアドバイス、10,000人以上のフォームを見続けて来たKTM.。
彼が生み出した数々のモデルは今でも名機と呼ばれ人気が高い。
多くのトッププレーヤーのシグネイチャーモデルを作り続けて来た故、「プライベートブランドは作らない」と言い続けて来た彼がついに「一人の為ではなく、多くのユーザーの為」のブランドを設立。
KTM.が今までの経験を全て投入し、「見えない部分にまで」デザインを施した10モデル。
それが『フレイヴァー』です。

【DMCのバレルはコチラ】

僕は、彼の才能を知ってるので言わせてもらうと、どちらかと言うと奇抜な方へ行っているなと・・・ この10タイプを今リリースする必要性あるのかな？
恐らく、投げたら凄く良いバレルなんでしょうけど、デザイン的な美しさがない。
正直な話、なぜこうなったと思いましたね。
彼は6から9までは天才なんですよ。その彼が1から10までを1人でやる必要がなかったのかなと。
隣にブレーキをかける人がいるべきだったと感じました。
なので今回は、手放しでいいねとは言えないですね。
言ってもらえば設計手伝ったのに・・・ って感じです。
彼の才能はこんなもんじゃないので、次回作に期待してます。

プライベートブランド　フレイヴァー設立おめでとうございます。バレルデザイナーとして長く活躍されているKTM.さんなので初めてのプライベートブランドと聞いて少々驚きました。
バレルデザインって好き嫌いがある中でKTM.さんのバレルデザインは媚びず流されずKTM.流をつらぬいていますよね。最近、乱立するバレルメーカーのほとんどが流行りのバレルのシェイプなのに対してフレイヴァーのバレルはKDP、DEEPIT、トリプレイトなどの経験からプレイヤーが必要としているバレルを作ろうという意思がデザインに現れいるように感じます。これからもKTM.さんらしいデザインのバレルが出てくるのを楽しみにしています。

【Monsterのバレルはコチラ】

【JokerDriverのバレルはコチラ】

大会会場などで、見かけるKTM.氏が他社バレルを真剣な表情で試投している光景を見かけることが多々ありました。
に、否定から入らず加点法で他社バレルの評価を行っておられる姿が印象的で…。きっと、そのノウハウの数々をバレル細部に注入されたのでしょうね？そんな、第一印象をうけました。
流行に左右されずに“遊び心”の入ったモデルも数点見受けられ、ここもKTM.氏らしさが詰まっており、“流石”の一言につきます。
Darts業界の、編成期ともいえる2012年、新たなるブランドの誕生を心より祝福し、更なる業界発展の起爆剤となられることを確信いたしました。

KTM.氏のプライベートデザインと言うことで氏が、過去に携わった仕事のノウハウが詰まった製品だと思います。
多くのプレイヤーの意見や自身の経験など情報が集約されたものだと思いますので全体的にバランスの良い構成になっていると感じました。
斬新さや、目新しさはあまり感じませんが、良い意味でオーソドックス使いやすそうな印象です。
コストどがえしで先端技術を追いかけるのもメーカーの仕事ですが、一般的な加工でコストを抑える事こういう所も大事だと思います。（一部は面倒そうですが。。。）
いろんな意味でオールマイティーな感じいいじゃないですか！
今度作る時は弊社の製品も使ってくださいね(笑)

【Cosmo Dartsのバレルはコチラ】

最初プライベートブランドをやると聞いた時、正直、3年遅いと思いました。
なぜ、よりによってこの時期に・・・っていうのが本音でしたね。
インタビューするまでは。
使いやすさを追求したが上に背負ったデザイン的ハンデを、言葉にならない程素晴らしいコントロール性で、どこまでカバーできるかが、フレイヴァーの課題でしょうか？
KTM.は誰よりも多くのフォームを見てきた、スクールオブダーツの先生です。
その先生が「みてくれは悪いが、コントロール性がとにかく素晴らしい」と自画自賛するバレル。最大公約数を知り尽くし、トッププロから初心者まで膨大な人数を見てきたKTM.の答えがここにありますね。
それだけで十分な説得力と思います。

仕入れ担当目線で言わせてもらいますと、パッと見でこれは売れるだろうなぁという万人ウケデザインからキワモノとまではいかないまでも一部だけにウケそうなデザインまで幅広いなぁっていう印象。
全て試投すれば、それこそ誰でもお気に入りが見つかるんじゃないでしょうか。
加えて、KTM.氏がデザインしたタングステン90％クオリティのバレルがこのお値段。
正直10種類も一気に発売するのはもったいないと思いましたね。
ぶっちゃけたところ、個人的には「売れない訳がない」と思っていますよ。
バレルメーカー乱立＆バレル価格競争時代の真っただ中で、このコストパフォーマンスの実現は、流石の一言に尽きます。
ビジネスを抜きにしてユーザーを第一に考えたからこそ実現できた商品じゃないでしょうか。喜んで仕入れさせていただきます。